私たちがかけている色眼鏡:思い込みと決めつけ
サングラスをかけるだけで、世の中が少し暗く見えるように、私たちはさまざまな色眼鏡を通して世の中を見ています。 それは、今までの人生の中で得てきた大事な眼鏡でもありますが、時に私たちを暴走させます。
ケース:恋愛
たとえば、恋人からの返信が返ってこないとします。事実はさておき「嫌われた!?」と焦ります。 この思考の繋げ方は、実は以前の恋人に嫌われたことが発覚したきっかけが返信が返ってこないことだったため、かけてしまった眼鏡だとします。 そうするとどうなっていくでしょうか? あれこれと考えていくうちに、今回の恋人でも、やがて自分の中で嫌われたことが事実となってしまい、その色眼鏡をかけた上で相手を見てしまい…
あるあるかもしれません。
こうなってしまったとき、「待って、私は今思い込もうとしてないかな」とか、「前の恋人と同じパターンだと決めつけていないかな」とか、気づくだけで変わったりすることってあります。
ケース:仕事
仕事で上司に叱られた、他人になにか注意された。そうすると「私はなんてだめな人間なんだ、相手もきっとだめだと思っているに違いない」みたいな眼鏡が掛かる人もいます。
上司がどんな人かというのはこの際おいておきまして、自分の考えが「だめなやつだ」で終わってしまうとその後の改善が起こりません。
ここで「叱られてしまったから次は同じミスをしないようにしよう」と認識したらどうなるでしょう。
上司や同僚に次の行動の対策を相談したりできるようになるかもしれません。思い込みを方向転換すると、行動が変わることがあります。
ケース:噂話
噂話はみんなが好きなものです。
たとえば、誰かから、あなたがまだ知り合って間もない人の評価を聞いたとします。
「あの人すっごいいい人で~!」
そうしたら、あなたはその人に次に接した時「いい人ベース」で話をすると思います。
逆に「あいつ最悪で~!」
こう聞くとどうでしょうか?
おそらく、次に接した時「最悪ベース」で警戒して接すると思います。
注意してほしいのは、いい人のケースでも最悪のケースでも、あなたはまだ知り合ってまもなく、その人のことをよく知らないということです。
最初に接した情報だけで、その人との当面の関係が決まってしまうことすらありそうです。
実際、万人にとって良い人も、万人にとって最悪の人も、そうはいません。あなたにとって最悪な人が、誰かの大事な人だってこともあります。あなたにとって大事な人が、誰かを苦しめていることだって…。
私はそういうことを頭に置きながらうわさ話を聞くようになってから、話半分に聞くことが多くなりました。
その人の評価は、自分が接したあとで決めれば良いことです。
ケース:人の話
人の話を聞きながら、流れを決めつけていることっていうのは結構起こりがちなあるあるです。
「あ、また同じ話だ~」とか、「はいはい、また私に注意するのね」とか。結論を設定して対策を考えながら聞く人にとって、思い込みとは、予測の一つなのかもしれませんね。
思い込みを少なくする考え方
対策:「かもしれない」を増やす
思い込み・決めつけを判断するわかりやすい言葉は「そうに違いない」です。
こういう言葉が自分の内面から湧き出てきたら、「かもしれない」になる考えを追加すると良いと思います。
例:嫌なことを言われた
思い込みルート「こいつまじなんなの~!嫌な奴!性格悪いに違いない」
かもしれないルート「すごい嫌なことを言われたけどこの人は私が受け取る意味では言っていないのかも」
対策:自分の無知を認識する
人は、自分の生きてきた分の人生しか知りません。
自分以外の人の人生って知らないわけです。
目の前で不機嫌そうにしている人は、もしかしたら自分の知らない理由があるのかな。と、一呼吸おいてみるのも手です。
対策:自分の感情を観察する
自分が人の反応や状況に即座に対応を出した時、おそらくですが過去に似たような経験があると思います。そのため悩まずに反応できているわけです。
そこで、なぜ自分は今こう思ったんだろう?と一旦立ち止まってみること。昔同じ状況が起きていたとしても、何から何まで同じわけではないかもしれないと思えば、結果が違ってくる可能性だって十分にあるかもしれないと思えます。
思い込みと決めつけは世の中のどこにでもある
思い込みや決めつけに気づくことが重要だというお話をしていますが、しかしながら、思い込みや決めつけを全くしない人はいません。
思い込みを完全に外すことはできないのです。
思い込みに気づくと同時に、完全に除外することを知っておくことは、自分のことを永久に完全な客観視が出来ないことを知っておくことと同じくらい重要です。
思い込みを促す
どうせ外せない思い込みなら、良い方向に使ってみるのも手です。
たとえば、この人苦手だな~と何となく感じる人がいたとします。
でも、なんとなく感じてるレベルなら、思い込みかもしれないわけです。その人のことをよく思おうとちょっとだけチャレンジしてみると、いろんな可能性に気づける他、もしかしたらその人のいいところを発見できるかもしれません。
人は、見たいように見て、感じたいように感じるものです。いいところを発見しようと意識して見れば、いいところはあるでしょうし、逆にあらを探そうと思えば、いくらでも探せてしまうのが本当のところだと思います。
自分のちょっとした思い込みの方向転換で、今まで仲良くなれなかったタイプの人と仲良くなれるルートが生まれたり
今までうまく行かなかった人間関係が少しうまくいくようになったりします。
過度に良く思おうとすると必ず無理が来ますが、できる範囲で少しずつ、「かもしれないなー」とつけてみると、なにか変わるかもしれません。
それでは今日はこんなところで。