2021年の8月に簿記3級、10月に簿記2級を取得しました。好きな勘定科目は、負ののれん発生益です!
きっかけ/何を使ったか/どう学習したか/その他考えたことメモ など、せっかくなので覚えているうちに記録します。
きっかけや経緯
きっかけは前の職場にいたときに勧められたことです。特に自らが経理職に就きたい・簿記の方面に興味が強かったということではなく、「どんな仕事をする上でも知らないより知っておいたほうがよい方面」というふうに受け取ったため、勉強することにしました。
ちなみにその頃の私の程度は、いわゆる「かしかたのかの字も知らない」状態です。
多分、今現在ふつうに社会人として生活している方が、普通に知っている経理的な知識も一切知らないくらいの状態です。なんか、領収書はちゃんととっておかないといけないんだよね…程度のものだと思ってください。
そこで勧められたのはあくまで3級でしたが、「じゃあ2級受かるつもりで勉強したほうがきっと良いでしょ」という謎の解釈により、目標を2級取得にセットしました。
3級範囲まで学習後、いろいろあって受検を一年近くサボる
目標をセット後、日に2-3時間ほどの勉強をして、だいたいひと月ほどで、3級においては過去問題集で9割を取れるくらいになりましたが、受検自体はそれから約1年後です。
- パンデミックにより紙の試験の申込みが困難だった
- かわいいねこちゃんをお迎えした
- そうこうしているうちに転職などをした
人生何があるかわかりません。(言い訳)
この、勉強から1年近く離れていたっていう部分が、実はこの記事で紹介する「何を使ったか」の説明において重要な前提でございます!
何をつかって勉強したか
主にYouTubeと紙の問題集です。インプットはYouTubeのみ。
YouTubeは、「よし簿記勉強しよ」と思ったときに本当に都合よくTwitterで流れてきた、ふくしままさゆき先生 のチャンネルに、2級までずっとお世話になりました。
「理解する」教え方、何がいいのか
ふくしま先生の動画は「暗記・解法」より「理解」型です。ご本人も言うように「とっても理屈っぽい」です。他の方の教え方を知らないので比較はできませんが、「こんな問題ではこういうふうに仕訳しましょう」ではなく「こういうことが起きている、だから結果的に仕訳はこうなる」みたいに「どうしてそうなるのか」を教えてくれる感じです。
これが本当にすごいな〜と思ったのは、1年勉強から離れて、再開しようというタイミングで問題集を再度解いてみたときでした。全然普通に、前と同じくらいの点数取れるんですよね。
一年前にたった1ヶ月勉強しただけのことをほとんどそのまま覚えていたのは、ちゃんと理解したからだと思っています。
なんなら初めて見る問題でも「これってきっとこういうことがおこっているんでしょ?だったら…」って、なんとなく答えの予想がつくこともあります。これって本当にすごくて、のちのち学習が進むほど「ありがてえ」ってなっていくと思います。
受検したあとの今は実感をもってわかりますが、特に3級は暗記に頼っても普通に合格はするはずです。ただ、その後経理実務に携わるわけではなかったり、私のように何かがあって勉強自体から離れてしまったらきっとすぐに忘れるのかなと思います。
そういう意味でふくしま先生の動画は、特に今後も経理を生業にしたいだとか、もっと上を目指す人だとか、そんな人達にこそおすすめなのかしら?と、素人ながらに思ったりしますね。
繰り返しになりますが、この方の動画に出会わなければきっとあの1年のブランクで忘れて諦めたと思うし、2級はとても合格しなかっただろうな、と思います。激オススメ。
動画であるメリット
人それぞれっしょってメリットを最初にあげますが、大事だと思うので…
耳から聞いたほうが入りが良い人、間違いなく動画で学習するのが合っています。
WAIS-IV知能検査を受けた時に知ったんですが、私は視覚と聴覚だったらちょっとだけ聴覚優位で、耳から入った情報のほうが処理しやすいみたいです。そもそも聴覚とか視覚に優位とかあるんだってその時知ったんですが「本を読むのはどうにも目が滑る」てな事がある人、いっぱいいると思います。AudibleとかYouTubeみたいな動画とか、選択肢もっと増えるといいと思います。
声の抑揚・勢いなんかも情報の一つですからね。
使ったテキスト・問題集
ふくしま先生はKindle本も多数出していますので、動画を見ている人はインプット用テキストもこちらにするといいのかなと思います。私は音が出せない場面(ねこが寝ているなど)では、テキストでつまみ読みしていました。Kindle Unlimitedの人は読み放題対象でっせ。
問題集も各1冊ずつでした。3級はこれ。
難易度別に豊富に問題が収録されていまして、やさしい問題からむずかしめの問題まで一通り揃っています。これ一通りやったら試験で何が出てきても慌てないと思います。いま出ている新しいのは、新試験にも対応しているんですね。
2級も同じシリーズを使いたかったんですが、こちらにしました。
これも大変良かったです。特にネット試験を受ける人であれば、これをやっておいたら「ああ見たことある感じの問題だよおお」ってなると思います。
個人的には問題集はこういう色々入っているのを1冊、繰り返し理解しながら解けば十分かなと思っています。
しかしこういう問題集、解説が解説してないですね。解説というよりは「解答をみちびく手順」というか。「エ…なんでそうなるの…」って思いそうな「解説」多かったなあ。
電卓はシャープ派
手にとったのがシャープだっただけで、特に何もこだわりはないですが、大きくて打ちやすいし気に入っています。左手で打つようにしてぼちぼち練習しましたが、便利でしたよ。ネット試験では、左手で電卓をたたきながら右手でテンキーを叩くシュールな姿です。
どう学習したか
さて、それではこれらの動画やテキストを使ってどのように勉強していったかを記録します。
基本的な流れ
- 動画を一通り見る(適宜メモをとる)
- 問題集に手を付ける
- 苦手な部分の動画を見返す
- 問題集を繰り返す
3級・2級ともに同じです。一通り動画を見終わる頃には、問題集になんとか手を付けられるくらいにはなっております。ただ、一通り見たくらいでは理解しきれない分野ってありますし、問題集を解くことで「なーんかこれ苦手だわ」っていうのが結構浮き彫りになります。
それから(私の場合、特に2級の工業簿記では)問題文に慣れるのが必要でした。え、これ、なにをどうすれば…ってなることが多かった。でも単純に慣れの問題なので、問題集に取り掛かる時間をたっぷりとっておけばいいと思います。
問題集は結局どちらも3周ほど繰り返しました。
- 1周目:時間無視。わからない!って思ったらすぐに解答解説を見る。そのかわり腹落ちするまで復習する。
- 2周目:時間無視。でも解説見ないでやりきる。間違えた部分の復習は必ず行う。
- 3周目:時間も守る。
勉強のときにはiPad+Apple Pencilが大活躍した
正直お絵かき以上に「買ってよかったァ」って思ったのが簿記の勉強のときです。近頃の問題集は解答用紙がダウンロードできるから、それをノートアプリで取り込んで解答書き込んでました。
使っていたアプリはNotability です。でも別になんでもいいと思う。
動画見る時にも画面半分YouTube、もう半分はノートアプリとすると、キャプチャとりながらメモができてめっっちゃいい感じです。わたし、iPad持ってもう一回学生になりたい。
余談:時間のつくり方
2級って1回の問題集が90分なので、まとまった時間が取りにくかったです。なので私の場合は、工業簿記と商業簿記に分けて解いたりしてました。
朝、仕事の前に工業簿記30分、昼休みで商業簿記60分、終業後にもう一問分…とか。
現在はリモートワークなので時間が作りやすいですが、1年前の通勤していたときは朝晩の通勤で動画を見て、昼休みと帰宅後に問題やってました。そういうときにも、iPadは活躍していて、問題と回答集をスキャンしてノートアプリにおいておけるから荷物増えなくてとってもよかったです。
まとめ:簿記を勉強してよかったこと
私の場合、仕事には直接関係ないですが、会社づとめをしているという点では関係があるので、勉強してよかったなと思うことがたくさんあります。一番よかったのは用語がわかることで、会社で会計のお話をしているときに出てくる単語がちんぷんかんぷんじゃないところが助かっています。1年前だったら絶対になにもわかっていなかったので、勉強してよかった。
あと、会社周りのあらゆることに対して「すごいや」と思うことが激増しました。
会社をしている人は本当にすごいと思うし、経理を担当している人も本当にすごい。会計士さんや税理士さんをはじめとする専門職の人は、これの何倍も何倍も勉強をして、実際に色んな会社のいろんなことをしていて本当にすごい。毎月お給料がいただけるのはめちゃくちゃありがたいし、会社さんはすっごく面倒くさいことを引き受けてくれているんだなって、そういう仕組がわかるといろんなことがありがたく思えてきて、自分は幸せものだと思います。
それから、複式簿記っていうシステムに感動しています。3級のときから2級の勉強が終わるまですべて、理屈がわかれば「なんてすばらしいシステムなんだ」って思うようになりました。よくできているというか、お金の流れがこんなふうに表せるんだなって思うと、考えた人すっごい。すごいものをたくさん知ることができて私の好奇心がとてもとても満たされています。
満たされただけでなにか返せるかまだわからないけど、きっと知っておいて損はないはず。
余談
実は簿記の試験を1年ごしに受けることにするまで、ちょっとしたネガティブな思いがずっとありました。
どうしたって時間を使うことはわかっているし、今の自分にそれができるのかという不安とか。こういうことを勉強するより、もっと直接的に今の仕事に関わることを勉強続けたほうがいいんじゃないかとか。一方で一度自分で決めたことを「やーめた」という勇気もイマイチでなくて、「いつかはやりたいんですよね〜〜ww」って言ってる状態だけでやってる感出している自分もすごく情けなかったし。
だけど迷う時間がもったいないというのは自分の中でいつもある思いでもあったので、腹をくくって受検することにしてよかったです。改めてやればできるなという気持ちにもなったし、自分で決めたことをまた一つ約束守れて、スッキリもしました。これができたからきっとこの先も勉強の時間とか、仕事以外のなにかをする時間ってとっていけるので、早いとこ次の具体的な目標を決めたいと思っています。